2013年10月28日月曜日

公衆無線LANのみでスマホを使う

ドコモ・au・ソフトバンクは、LTE通信を積極的に宣伝していますが、全キャリア共通で料金が高すぎます。

スマホを持っているだけで通信費は上限に行き、通話料抜きで考えても月々7000円程度はかかってしまいます。
更にこれに通話料を加味すると、月々1万円程度はかかります。




今回は、パケ・ホーダイを解約して、公衆無線LANのみでスマホを運用することで、
7000円の費用を1000円程度にまで抑える方法を紹介します。

なお、いつでもどこでもネットに繋がっていないと心配な人は、今回紹介する方法は適用できません。



[公衆無線LANを利用する]

公衆無線LANとは、わかりやすく言うと「無線LANそのもの」です。
頭に「公衆」とつくだけでなんだか難しく聞こえますが、要はスマホを家でWi-Fi接続している時と同様に、外出時もWi-Fi接続が使えるようにするサービスのことです。

ただし、どこでも使えるわけではなく、Wi-Fi接続ができる場所に制約があります。
私は2社を契約しているのですが、この2社ともに接続できない場所が「田舎の路上」です。
なお、田舎であっても駅構内とその周辺は超高速通信可でした。

公衆無線LANには無料のものもあるのですが、品質やセキュリティの問題から有料のものを選択します。



[どの公衆無線LANサービスを利用するか]

まず、価格・品質・エリアから、ワイヤ・アンド・ワイヤレスの  Wi2 300  は絶対です。(月額:380円)
全国的に見ても、これを超えるサービスはありません。

また、これと合わせて使いたいのがNTT系の公衆無線LANです。(Wi2 300はKDDI系)
これにはドコモの「docomo Wi-Fi」を選びます。

この2社を同時に使うことにより、無線LANの「抜け」がほとんどなくなります。
(田舎でなければ)路上でも、どこからか電波を拾ってきます。

なお、「docomo Wi-Fi」は保険的なもので基本的には「Wi2 300」だけで十分です。
「Wi2 300」の「抜け」が多いときに「docomo Wi-Fi」を追加します。
また、家族に永年無料対象者がいる場合は、そのIDを借りて利用することもできます。(非公式)

※ なお、私の生活圏(埼玉~東京)では「Wi2 300」だけで十分でした。


Wi2 300 で接続できるアクセスポイント一覧
[KDDI系(Wi2 300独自)]
・Wi2
・Wi2premium
・Wi2_club
・Wi2premium_club
・wifi_square

[ソフトバンク系]
・mobilepoint

[UQ系]
・UQ_Wi-Fi



[料金の比較]

ドコモを例にして7000円の内訳を示します。
どのキャリアもほぼ同じ料金形態になります。


<今までの月額料金>

月額料金: 780円
パケホ代:5985円
IPS代(SPモードなど):315円
通話料:(無視します)

合計:7080円


<公衆無線LANを利用した場合の月額料金>

月額料金: 780円
Wi2 300:380円
パケホ代:解約
IPS代(SPモードなど):解約
通話料:(無視します)

合計:1160円



[デメリット]

このように料金的には激的に安くなる公衆無線LANですが、良いことばかりではなく、デメリットもあります。

それは、上にも書いたとおり、全くつながらない場所もあることです。
最近は、地下鉄やバスにも公衆無線LANが整備され「Wi2 300」が利用できるようになってきました。

それでも、近くにカフェやコンビニがないようなところや、公衆無線LANが未整備の電車内などは、ネット接続ができません。
また、徒歩での移動中は連続した通信ができません。

これが公衆無線LANのデメリットです。

しかし、電波さえ掴めれば非常に安定した高速通信が可能で、動画やIP電話などにも利用できます。
これはデメリットを補って余りがあります。



[利用には制限があり 自らの順応が必要]

はっきり言って、公衆無線LANは使い勝手が悪いです。

「え、今までの紹介はなんだったの!?」
と思うかもしれませんが、本当に「使い勝手は」悪いです。

これで使い勝手も最高だったら、誰もがこのサービスを使っています。

このサービスを快適に利用するためには、利用者側にも順応が求められます。
それでも、ちょっとしたことで、毎月の支払額が激減しますので、相応の価値はあると思います。

その順応条件は次のとおりです。
  1. 家や職場のWiーFi環境を利用する。
  2. 自分の生活圏に「Wi2 300」の電波がある。
  3. メールは10分ぐらい遅れて受信しても良い。
  4. 歩きながらネットはしない。
  5. 街中を外れると通信不可。
まず1と2については言うまでもなく、必須です。

[3.メールは10分ぐらい遅れて受信しても良い]
これは、主に公衆無線LANの整備されていない電車内を想定しています。
まず、各駅では「Wi2 300」が利用できます。そのため、駅ー駅間の「抜け」のときにメールを受信した場合、そのメールを実際にスマホが受信するタイミングは、「Wi2 300」がつながった瞬間(電車が駅に停車したとき)です。
この時間を10分としました。

[4.歩きながらネットはしない]
歩きながらスマホなど、危険だからやめて欲しいのですが、ここで言っているのはそう言うことではありません。
これは、何かファイルをダウンロードしているときの話です。これを歩きながら行うと、連続した通信が確立できずダウンロードに失敗することがあります。
そのため、大容量のデータをダウンロードするときは立ち止まる必要があります。

[5.街中を外れると通信不可]
民家が少なく、近くに飲食店もないようなところでは一切の通信ができません。



[まとめ]

公衆無線LANは電波さえ掴んでいれば、非常に安定した高速通信が可能です。
しかし電波が無いエリアでは、どうがんばっても通信ができません。
これをどのように補うかが最大のポイントと言えます。

これは最終的に2択です。
  1. これだけ安い料金だ。我慢しよう。
  2. MVNOと併用して「抜け」を補完する。

どちらが良いかは人それぞれです。
メールであれば、公衆無線LANの電波状況にかかわらず、SMSで送受信できるため、「1」もありだと思います。

「2」を検討する際は「Wi2 300」とMVNOがセットになった以下SIMがおすすめです。
  • BIC SIM(アマゾンへのリンク)
  • BIGLOBE LTE・3G(公式サイトとイオン店頭での販売のみ)


    「Wi2 300」は月額380円です。
    MVNOの契約を検討する上でも、まずは「Wi2 300」がどの程度の使い勝手なのかを試してみることをお勧めします。
    (なお、解約も非常に楽で、公式サイトから数クリックで解約できます。)

      「Wi2 300」 の詳細ページへ


    接続方法は「Wi2 Connect」というアプリで、エリア内に入れば自動接続されます。
    また、「MACアドレス認証」により、アプリの設定等は何もせずにエリア内で自動接続する方法もあります。

    「MACアドレス認証」については若干わかりづらいため、後日別記事にて紹介しようと思います。
  • 2013年10月3日木曜日

    iPhoneでプレフィックスを使う方法(75%対応)

    iPhoneはプレフィックス発信に対応しておらず、これに対応させるような有用なアプリもありません。
    これでは<通話料を半額にする呪文「0063」>が唱えられません。

    そこで、iPhoneでプレフィックスを利用する方法を考えます。





    [iPhoneとAndroidのプレフィックス]

    Androidには「Prefixer」という、完璧なアプリがあります。

    これを利用すれば、G-Callを利用した「0063」を自動的に付加することもできます。また、ある特定の電話番号には「0063」を付けないで発信する、といった柔軟な対応もできます。(高性能フィルタあり)

    しかし、iPhoneにはプレフィックス機能が一切ありません。アプリもありません。
    JBすればあるのでは?と思い、脱獄アプリも探してみましたが、やはりありません。

    唯一、「KuaiDial」という脱獄アプリが、「ダイヤルパッドからの発信のみ」対応していました。

    ダイヤルパッドからの発信だけ対応していても、使い物になりません。
    電話帳から直に発信できないわけですから・・・。



    [電話帳で対応させる]

    そこで、視点を変えて電話帳アプリでプレフィックスに対応できるものがないかを探してみました。
    その結果、「連絡先+」というアプリでこれを実現できました。(有料:85円)

    しかし完璧ではなく、このアプリは電話帳に登録されている番号しかプレフィックス発信ができません。
    なお、「連絡先+」から発信した履歴はこのアプリに残ります。したがって、発信履歴からのプレフィックス発信はこのアプリで対応可能ということになります。



    [連絡先+とKuaiDialの連携]

    結局行き着いた先は「連絡先+」と「KuaiDial」を両方使うことでした。
    ほとんど「連絡先+」だけで事足ります。このアプリから発信すれば「0063」を付加するかが選べます。


    「連絡先+」のメイン画面です。
    アプリ自体の使い勝手も良く、直感で使える系です。


    発信したい連絡先をタップするとこの画面に切り替わります。
    ここから次の動作を選択できます。


    上の画面で「電話」を選択すると、この画面になります。
    (設定から好きなプレフィックスを追加できます。)
    ここで「G-Call(0063)」を選択すれば、G-Call経由での発信となります。


    続いて「KuaiDial」です。
    このアプリは脱獄アプリです。Cydiaの初期状態ではDLできませんので、下記ソースを追加してインストールしてください。
    レポジトリ(Weiphone):http://apt.weiphone.com/cydia/


    本やウェブサイトに書かれた電話番号はダイヤルパッドから打ち込めば、「KuaiDial」による制御で「0063」を付加するかが選べます。
    なお、赤枠の部分をタップすることにより、次の選択画面が出てきます。


    この画面で「0063 Prefix Dial」を選べばG-Call経由での発信となります。
    (設定から好きなプレフィックスを追加できます。)



    [問題点]

    問題は着信履歴です。
    これだけはどのような方法を使っても、着信履歴に直接「0063」を付加することはできませんでした。

    しかし、電話帳に登録されていない番号からの着信は稀ですので、大きな問題にはなりません。
    (着信履歴を見て「連絡先+」で発信する。)

    なお、電話帳に登録されていない着信履歴への発信は、面倒な方法しか見つかりませんでした。
    着信履歴の電話番号をコピーして、ダイヤルパッドにペーストです。
    これで発信すれば、「KuaiDial」の制御から「0063」が付加できます。



    [結果]

    「連絡先+」で50%は対応できたと思います。
    「KuaiDial」で25%は対応できたと思います。

    よって、「iPhoneでプレフィックスを使う方法」に75%対応です。


    私は実際にこの状態で運用していますが、今のところ不満はなく快適に使えています。
    もし実運用において不都合が見つかったら、追記していこうと思います。



    [おまけ]

    この「連絡先+」というアプリですが、なかなか便利です。
    発信の際に「通常発信」か「Acrobits Softphone」で発信するかが選択できます。

    また、電話制御アプリとして「Ask To Call」も非常におすすめです。(要JB)
    これは、発信前に「本当に発信するの?」と一度問いかけてくれるようになるアプリです。(誤発信がなくなります)

    なお、「KuaiDial」と「Ask To Call」は競合しませんので、併用することもできます。


    ここまでして、iPhoneがやっと「携帯電話」になりました。

    スマホとしても電話としてもAndroidに及ばないiPhoneですが、なぜかiPhoneを使いたくなります。
    この不思議な魅力(強制力)は何なのでしょうか・・・。

    2013年10月1日火曜日

    IP電話に最適な「MVNO」を検証する

    以前に<IP電話に最適な「MVNO」選び>として記事を書きました。
    そのときはネット上の情報を基にして、質の良さそうなMVNOをピックアップしました。

    今回は実際に以下の4社のMVNOと契約し、その速度・品質を検証しました。(すべて1000円以下プラン)
  • IIJmio (BIC SIM ミニマムスタートプラン)
  • OCN (モバイル ONE [30Mコース])
  • BIGLOBE (ライトSSプラン)
  • 楽天ブロードバンド (エントリープラス)





    [検証条件]

    検証を行う条件を以下のように定めました。
  • 平日昼間(昼休時間限定)[12:00~13:00]
     → 平日の昼休みの時間帯は「魔の時間」と呼ばれMVNOは極端に速度が落ちるらしい。
  • 測定場所:東京都
     → 私の職場。
  • 速度上昇クーポンは使わない
     → 公平性の問題。
  • 速度規制中でない
     → 速度規制されていては検証にならないため。

    なお、ドコモ本家は平日昼間においても、速度が全く低下しないことを確認しました。
    これにより、これからの検証はドコモによる足枷がないことがわかります。

    [ドコモXi接続(MoperaU)](参考)
    12:00~13:00 計42回のスピードテストの結果(平均値)
    DL:7643(kbps)
    UP:2735(kbps)
    PING:96(ms)




    [検証結果]

    これから「ダウンロード」、「アップロード」、「応答速度(PING)」の順番で考察していきます。

    ※ 楽天ブロードバンドがグラフに載っていませんが、それは後述します。


    <ダウンロード>

    ダウンロード速度は、IP電話において「相手の声がこちら側にしっかり届くか」の指標になります。



    グラフを見ると明らかですが、12:30~40にかけて「IIJmio」は速度の落ち込みが激しいです。
    最低値を見ると“11kbps”まで速度が低下しています。

    これではどんなに高性能な音声コーデックを使用しても、IP電話の利用は「不可能」です。
    相手の声がこちら側にはほとんど届かない状態となります。
    相手が、はっきり喋ろうがゆっくり喋ろうが途切れてしまい、会話になりません。

    OCN」は昼時でも、ほぼ理論値(200kps)が出ています。

    BIGLOBE」は、12:30~40では速度がブーストしているぐらいです。(BIGLOBE側が混雑を想定して回線を開放しているのか?)
    なお、「BIGLOBE」の理論値は“256kbps”なのですが、どの測定点においても“300kbps”程度は出ています。


    <アップロード>

    ダウンロード速度は、IP電話において「こちら側の声が相手にしっかり届くか」の指標になります。



    こちらもグラフを見ると明らかですが、12:30~40あたりで「OCN」の速度が落ち込んでいます。
    最低値を見ると“37kbps”まで速度が低下しています。

    例えば050plusでは、必要な最低速度は“20kbps”とされているので、この速度でも一応通話は可能です。
    しかし、この速度では「安定した通話」には程遠いものであることは確かです。

    なお、「IIJmio」と「BIGLOBE」のアップロード速度は速いです。
    IIJmio」が約“400kbps”(理論値は“200kbps”)、「BIGLOBE」が約“500kbps”(理論値は“256kbps”)もの速度が出ています。


    <応答速度(PING)>

    PING値は、IP電話においてはそのまま「遅延時間」となります。
    今回はスピードテストのtokyoサーバまでのPING値を測定していますが、これで十分に「遅延時間」の指標になります。
    (この数字は小さいほど良好です。)



    こちらはグラフを見ても少々分かりにくいかと思います。

    IIJmio」はPING値が“200~250ms”程度です。
    MVNOとしてはまずまずの速度です。

    OCN」と「BIGLOBE」はPING値が“100~170ms”程度です。
    ドコモ本家のPING値が“80~120ms”であることを考えると、非の打ちどころがありません。非常に良好です。

    しかし「OCN」を良く観察すると、何箇所かPING値が上方向に振り切っているところがあります。
    これらはそれぞれPING値が“1872ms”と“1380ms”という数値を示しており、グラフ上に表しきれないほどの「遅さ」です。いわゆる「パケ詰まり」です。

    これもIP電話としては致命的です。



    [まとめ]

    IP電話に最適なMVNOの検証結果を以下のようにまとめます。


    [IIJmio]
    アップロードは速いがダウンロードが遅い。
    よって「相手の声が通じない」

    ⇒ IP電話を前提としたMVNOには不向きです。


    [OCN]
    ダウンロードは速いがアップロードが遅い。
    よって「こちらの声が通じない」
    また、パケ詰まりにより通信が途切れることがある。

    ⇒ IP電話を前提としたMVNOには不向きです。

    ※ しかし、DL速度は安定していることからIP電話以外には良好なMVNOと言えます。

    BIGLOBE
    ダウンロードもアップロードも速い。
    理論値“256kbps”を遥かに超えた速度が出る。
    PING値も非常に良好。

    ⇒ IP電話を前提としたMVNOに最適です。



    [楽天ブロードバンドについて]

    実は「楽天」のAPNは「InfoSphere」であり、非常に高品質なプロバイダを主回線としています。
    これに期待して「楽天」を検証対象に選びました。

    最初は深夜に速度計測をしてみて、「お、速い!」と思いました。PING値も良好で、その速度に期待しました。
    しかし速いのは深夜だけです。昼時は通信速度が遅いという次元を超えて、通信が一切確立できません。

    12:00~13:00の間、何十回とスピードテストを試みましたが、一度も通信が確立することはありませんでした。

    よって、「楽天」はグラフから敢えて外したのではなく、測定できず載せられませんでした。



    [感想]

    本検証を行うまで、まさか「BIGLOBE」がこんなに健闘するとは思いませんでした。
    (健闘どころかダントツで1番なのですが。)

    私の予想では「OCN」が一番、次いで「IIJmio」、「BIGLOBE」と続くと思っていました。
    しかし結果はご覧のとおりです。

    なお、「BIGLOBE」は通常の使用においても良好でした。
    表現しづらいのですが、WEBブラウズ中でも「ひっかかり」や「途切れ」がないのです。PINGが速いことに所以するのかもしれませんが、今回の4社の中で一番ストレスを感じさせない使用感でした。